みなし残業80時間は「お得」だと思っていた——休職・復職で年収が半分になった話
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以前勤めていた会社は、みなし残業(固定残業代)が 月80時間分 含まれた給与体系でした。
実際の残業は月20〜30時間くらい。残業してもしなくても給料は変わらないので、「残業せずに満額もらえる、お得な働き方だ」と思っていました。
その考えが変わったのは、休職して復職したときです。
復職したら年収が半分になった
復職時、産業医の判断で 残業禁止 になりました。すると、
- 「残業しない」扱いになるので、みなし残業代がまるごとカット
- もともと基本給が低いので、年収はおよそ 半分
- ただし 業務量はほかの人と同じ
という状態になりました。
さらにつらかったのが、復職後の給料が 休職中にもらっていた傷病手当金とほとんど変わらなかった ことです。傷病手当金は、ざっくり言うと休職前の給与(標準報酬)の約3分の2が支給されます。しかも非課税です。一方で復職後は、みなし残業代を抜いた基本給だけになり、そこから税金や社会保険料が引かれます。
結果として、
休職中:働かずに、もとの給与の約2/3(非課税) 復職後:ほかの人と同じ仕事をして、手取りはほぼ同じ
ということになります。
休職した人は「辞めるしかない」構造
この制度だと、80時間残業するかどうかに関係なく、休職した人は復職しても生活が苦しい のです。体調を戻しながら働きたくても、収入は休職中と変わらず、仕事量だけが元に戻る。辞めるという選択肢が現実的になってしまいます。
わたしの場合、残業禁止の期間は 3か月 でした。その間は貯金を取り崩しながらしのぎ、3か月後に産業医から「残業可能」の判定をもらって、給料は元に戻りました。
運よく戻れたとはいえ、納得感はとても低かったです。ほかの人と同じ仕事をしていて、給料は半分。3か月間ずっとその事実と向き合っていました。
「おいしい制度」の条件
改めて考えると、みなし残業80時間がおいしいのは、次の条件がそろっているときだけです。
- 元気である
- 残業をしないと割り切れる
- 会社から課題やノルマが降ってこない
ノルマが来れば、80時間までは残業代なしで働かされる 地獄の制度 になります。休職すれば、上で書いたとおり 最悪の制度 になります。
ちなみに、残業時間の上限は36協定で原則 月45時間 です。月80時間は、いわゆる「過労死ライン」と呼ばれる水準でもあります。「80時間分が給料に含まれている」というのは、本来それくらい重い数字なのだと思います。
入社前・在籍中に確認しておきたいこと
休職・復職の扱いを会社規定で確認する
元気なうちは気にしない部分ですが、いちばん効いてくるのはここでした。
- 復職直後に残業制限・時短勤務になった場合、固定残業代はどうなるのか
- 基本給だけで生活できる金額か
- 制限期間はどれくらいで、誰が解除を判断するのか
就業規則や賃金規程に書いてあるはずなので、一度目を通しておくのがおすすめです。
その制度を「有効に使える立場」なのか確認する
みなし残業や裁量労働制を採用している会社は少なくありません。大事なのは、制度そのものより 自分がそれを有効に使える立場にいるか です。
- 自分で残業時間をコントロールできるか
- 上司との関係は良好か(無理な仕事を断れるか)
- そもそも残業の少ない部署か
このあたりがそろっていれば「お得」になりますし、どれかが崩れると一気に不利になります。
まとめ
みなし残業は、元気で残業を自分でコントロールできるうちは「お得」に見えます。でも、そのお得さは 働けている間だけ のものでした。
体調を崩したとき、会社の制度がどう効いてくるのか。元気なうちにこそ確認しておいてほしいと思います。
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