チップチューン制作向けのソフトウェアシンセサイザー(VSTi)。ファミコンやゲームボーイのような8bitサウンドを、普段使っているDAWの中で手軽に鳴らせる。C++とJUCEフレームワークで開発し、ソースコードはGPL-3.0で公開している。SoundCloudにはこのシンセで作ったデモ音源を置いている。
こんな人に向いている
- 懐かしいゲーム音楽のような曲を作りたい人
- 複雑なシンセの操作は苦手だけど、ピコピコした音をすぐに鳴らしたい人
- 波形を自分で描いて、オリジナルの音色を作ってみたい人
主な機能
- オシレーター: 矩形波などチップチューンでおなじみの波形を切り替えて使える。
- ADSRエンベロープ: アタック・ディケイ・サステイン・リリースを調整し、音の立ち上がりや余韻を作れる。
- ピッチスイープ: 音程を上下に滑らせる効果で、ゲームの効果音のような音も作れる。
- ビブラート: 音程を周期的に揺らして、メロディに表情を付けられる。
- 波形スコープ: 今鳴っている波形をリアルタイムに表示する。
- WAVEFORM MEMORY: マウスで波形を手書きして、自分だけの音色を作れる。このシンセの一番の特徴だ。
対応環境
Windows(32bit / 64bit)のVSTと、macOSのVST / AUに対応。以下のDAWで動作を確認している。
- Studio One 2 / 3 / 4
- Cubase 8.5 / 9.5
- FL Studio 12 / 20
- Ableton Live 9 / Live 10 Suite
- REAPER 5.94、SONAR X2、Waveform 8
使い方
- 配布されているDLLファイルを、DAWのプラグインフォルダにコピーする。
- DAWでプラグインを再スキャンし、インストゥルメントトラックに「SANA 8BIT VST」を挿す。
- MIDIキーボードやピアノロールで演奏しながら、波形やエンベロープを調整する。
アンインストールするときは、コピーしたDLLを削除するだけでよい。日本語の使い方マニュアルも公開している。
技術構成
JUCE 5とSteinberg VST SDKを使い、Visual Studioでビルドしている。JUCEのProjucerでプロジェクトを管理しているため、同じソースからWindows用とmacOS用のプラグインを作れる。プロジェクトはCOx2氏の「JUCE_JAPAN_DEMO」を出発点にしており、同氏にはコントリビューターとして参加してもらっている。
工夫した点
チップチューンの魅力は「制約の中で工夫する」ところにある。そこで機能を欲張らず、昔のゲーム機の音源にあった要素(波形の切り替え、ピッチスイープ、ビブラート)に絞り、つまみの数を少なくして直感的に音作りできるようにした。そのうえでWAVEFORM MEMORYだけは自由度を高くし、シンプルさと遊びの余地を両立させている。波形スコープで音の変化が目に見えるので、シンセの仕組みを学ぶ教材としても使える。
よくある質問
チップチューンとは?
昔のゲーム機やパソコンに搭載されていた音源チップの音、またはそれを模した音で作る音楽のこと。矩形波などのシンプルな波形を組み合わせた、ピコピコとした音色が特徴だ。
32bit版と64bit版のどちらを使えばいいですか?
使っているDAWに合わせて選ぶ。現在の主要なDAWの多くは64bitなので、基本的には64bit版を使えばよい。
オリジナルの音色を作るには?
WAVEFORM MEMORYの画面にマウスで波形を描くと、その形がそのまま音になる。波形スコープで実際に鳴っている波形を見ながら、少しずつ形を変えて好みの音を探せる。